「担当プランナーは当日いません」と言われたときに、確認すべきこと
この記事にはアフィリエイト広告を含んでいます。リンク経由で申し込みがあった場合、 運営者に報酬が入ることがあります。紹介先や書いている内容は、報酬の有無で変えていません。
打ち合わせを重ねてこられた担当の方から、ある日こう言われた。そんな方に向けて書いています。
「当日は私はおりません。別の者が担当いたします」
その場では「そうなんですね」とお答えしたものの、ご自宅に戻ってから急に不安になった。半年かけて話してきたことは、当日その場にいる方に伝わるのだろうか。知らない人に、自分たちの式を任せることになるのだろうか。
私はホテルの宴会サービス課で、会場責任者として披露宴を回しておりました。まさに、その「別の者」の側にいた人間です。当日、会場の中で何が起きているのかを、お伝えします。
その不安の正体は、担当がいないことではないかもしれません
言葉にすると「担当がいなくて不安」になりますが、本当に心細いのは、少し別のところにあるのではないかと思います。
気がかりなのは、こちらではないでしょうか。
半年かけて決めたことが、当日その場にいる人間の頭に入っていないかもしれない。
ご友人のスピーチの順番、ご親族のお席、流したい曲、お伝えしてある苦手な食材、車椅子でお越しになるお祖母様の動線。ひとつずつ時間をかけて決めてこられたのに、当日そこに立っている人間が、それを知らなかったら。そう考えると、落ち着かなくなると思います。
だとすれば、ご確認いただきたいのは「担当がいるかどうか」ではないと思うのです。決めたことが、どういう経路で当日その場に届くのか。 見ていただきたいのは、そちらのほうです。
結婚式は、打ち合わせと当日で担当が変わります
まず、仕組みの話をさせてください。
打ち合わせを担当する人と、当日その会場を回す人は、多くの場合で別の人間です。前者はプランナー。後者は会場責任者と呼ばれる立場の者で、現場ではキャプテンと呼ばれることもあります。会場の中の進行、スタッフの配置、その日の判断を引き受ける役です。
これは、お二人の式が軽く扱われているという話ではありません。披露宴が始まれば、料理を出す順番、飲み物の減り具合、スピーチの長さ、次の演出の準備、音響の合図が同時に走ります。これを打ち合わせと並行して一人で持つのは、仕事の形として無理があります。分けているのは、そのためです。
問題は分業していること自体ではなく、その受け渡しがどう行われているかにあります。
私は、前日の夜に頭へ入れていました
私が働いていたホテルでは、当日担当する会場の資料は紙で渡されました。進行表、席次、演出の指示。それを受け取るのは前日です。
その夜に、頭へ叩き込みます。
当日の朝に初めて開く、ということはありませんでした。前日のうちに読み、わからないところがあれば担当のプランナーに質問を入れて、その日のうちに潰しておく。当日の朝には、どなたがどのお席に座られるか、どなたが挨拶に立たれるか、どこで音が入るかが、もう頭の中に入っている状態にしておく。私も、音響を担当する者も、そこは同じでした。
なぜ「前日」だったのか
前日にようやく読むのか、と思われたかもしれません。ぎりぎりに見えると思います。
ただ、これは現場が手を抜いているという話ではないのです。会場の作りの話になります。
ホテルには、結婚式だけが入っているわけではありません。冠婚葬祭があり、平日には企業の宴会や会議も入ります。当日その会場を回す人間には、その前の日にも別の現場があります。まとまった時間で資料に向き合えるのが前日の夜でした。そこが、確保できるいちばん早い時間だったということです。
逆に言えば、結婚式だけを扱っている会場は、この点でもう少し余裕があるかもしれません。私はホテルの側にいた人間ですので、専門式場の中がどう回っているかを断言することはできません。ただ、当日の担当者が資料を読める時間は、その会場が他に何を抱えているかで変わります。 そこは確かです。
ですから、これからお伝えする質問も、前日か当日の朝かで点をつけるためのものではありません。会場のタイプが違えば、答えも違って当然です。見ていただきたいのはタイミングそのものではなく、その会場が「誰が、いつ」に答えを持っているかどうかです。
もうひとつ、誤解されやすいことを書いておきます。
当日、プランナーと会場責任者が改めて打ち合わせをすることは、基本的にありませんでした。
これだけ読むと、不安に見えるかもしれません。ただ、意味は逆になります。当日に話し合う必要がないところまで、事前に終わらせてあるということです。当日の朝の立ち話で全体像を渡していては、間に合いません。会場のスタッフに対しては、注意すべき点があれば現場のまとめ役から共有されますが、それは全体像の共有ではなく、その日の注意事項です。土台はもう入っている前提で回っております。
つまり引き継ぎは、打ち合わせの延長として行われるものではなく、会場の仕組みとして組み込まれているものです。お二人が心配して確かめにいく類のものではない、と思っていただいて大丈夫です。
当日、お二人のすぐ横にいるのは、プランナーではありません
もうひとつ、当日の景色をお伝えします。
私のいた現場では、新婦様には介添え(新婦様につく専任のスタッフ)が、新郎様には会場責任者がつきます。 これが基本の形でした。
つまり、当日お二人が何かに困って顔を上げられたとき、そこにいるのはプランナーではありません。新婦様側は介添え、新郎様側は会場責任者です。「担当がいないと、誰に言えばいいのかわからない」というご不安は、ここで解けるのではないかと思います。お声をかけていただく相手は、当日ずっと、お二人のすぐ横におります。
会場の中がどうなっているか、図にいたしました。
会場にいる全員が指示を受けて動いておりますが、その指示が流れている無線は、たった6台です。お二人の目に映っているのは料理を運ぶスタッフですが、その一人ひとりが、誰かの声を聞きながら動いております。
そして、これはあまり語られないことだと思うのですが。
両家のご両親のテーブルには、実力のあるスタッフを置きます。
新郎新婦様にお付きするのは当然として、会場側が同じだけ大切にしているのが、ご両親のお席です。
理由は、ふたつあります。
ひとつは、ここまで育ててこられたご両親にも、その日を最大限に幸せな時間として過ごしていただきたいからです。お二人の門出を、いちばん長く待っていらっしゃった方々です。そのお席にどなたを立てるかは、会場が何を大事にしているかがそのまま出るところだと思っております。
もうひとつは、会場の見え方の違いです。
当日、新郎新婦様は次から次へと動かれます。ご入場、ご挨拶、乾杯、中座、お色直し。ご自身の式でありながら、会場全体をゆっくりご覧になるお時間は、ほとんどありません。
一方でご両家の皆さまは、お席に着いていらっしゃいます。ご列席の方がきちんともてなされているか、ご親族が居心地悪くされていないか。会場全体の雰囲気は、ご両家の皆さまのほうがよく分かっていらっしゃいます。
式のあとで「あそこはこうだったね」と話に出るのも、ご両親の側からになりやすいところです。良かったところも、そうでなかったところも、いちばんご覧になっているからだと思います。
ですから会場側は、そこに誰を立てるかを選んでおります。見学では見えない部分ですが、お尋ねいただくことはできます。
両家の親のテーブルは、どなたが担当されますか。
質問そのものより、お尋ねになったときの反応に意味があります。答えが用意されている会場は、そのお席を意識して回している会場です。
実際に漏れたのは、進行ではなく「モノ」でした
正直に書きます。
進行表、席次、演出の指示が、当日の現場に伝わっていない。これは基本的に起きませんでした。
紙に書いてあることは、届きます。届かないということは、めったに起きません。いま最も気がかりでいらっしゃる「決めたことが伝わっていないかもしれない」は、実のところ、いちばん起こりにくいところです。ここは安心していただいて大丈夫だと思います。
ただ、こういうことはありました。
ウェディングケーキの手配が抜けていて、当日の朝に気づいたのです。式が始まる前でした。急いで納品してもらい、間に合わせました。ご列席の方も、お二人も、そのことをご存じないままお開きになったはずです。
この話をするのは、失敗談としてではありません。どこが本当の勝負どころなのかを、お伝えするためです。
紙に書いてあることは伝わります。伝わらないのは、紙に書いてあることと現実がずれたときです。手配が抜けている。前日に人数が変わっている。ご列席の方が遅れていらっしゃる。機材の調子がおかしい。式当日に、この種のずれは起きます。
そのときに、誰かが気づいて、誰かが動くかどうか。 これが当日の運営力だと思っております。
そして気づけるのは、前日の夜に紙を頭へ入れてきた人間だけです。中身を知らなければ、ずれていることにも気づけません。朝の時点で「ケーキが来ていない」とわかるのは、その日の流れが頭に入っているからです。
引き継ぎがきちんと行われているかを気にする意味は、ここにあります。伝言ゲームの精度の話ではなく、当日、異常に気づける人がその場に立っているかどうかの話です。
「当日いない」が、どこまでを指すのかは会場によって違います
最後にもうひとつ。
私のいた会場では、プランナーはお出迎え、挙式会場へのご案内、お二人のご入場のあたりまでは顔を出すのが基本でした。披露宴の間ずっと横についてはいませんが、朝から一切現れないわけでもありません。
つまり「当日はおりません」という一言には、いくつかの意味があり得ます。
- 披露宴の間、ずっと横にはついていない、という意味なのか
- 朝のお出迎えには顔を出す、という意味なのか
- その日は出勤していない、という意味なのか
この三つは、かなり違います。それなのに、同じ「おりません」という言葉でご説明されることがあります。もやもやしたままお持ち帰りにならず、その場でお尋ねになるのがよいと思います。
当日は、どのあたりまで顔を出していただけますか。
見学でも、打ち合わせでも聞ける4つの質問
専門的な知識は要りません。そのままお尋ねいただける形にしておきます。
- 当日この会場を回してくださるのは、どういう役職の方ですか。お名前は決まっていますか。
- 当日、私たち二人には、それぞれどなたがついてくださいますか。
- 両家の親のテーブルは、どなたが担当されますか。
- 担当の方は、当日どのあたりまで顔を出していただけますか。
答えの見方も、あわせて書いておきます。
その場で答えが出るかどうかより、言葉が具体かどうかをご覧いただければと思います。
「しっかりと引き継ぎますのでご安心ください」というお言葉は、お二人のお気持ちに寄り添おうとしてくださっているものです。ありがたいお返事だと思います。ただ、いま知りたいのは、その先の体制のほうではないでしょうか。
「当日は◯◯という役職の者が入ります」「新婦様には専任の者がつきます」と、担当や役割の言葉が出てくるなら、その会場は当日の受け渡しを仕組みとして持っています。
その場でわからないことがあっても、それ自体は問題ではないと思います。見ておきたいのは、持ち帰って調べて、後日きちんと答えが返ってくるかどうかです。返ってこない質問は、当日も同じ扱いになりやすいところです。
次の一歩
まだご契約されていない方へ。 上の4問を、見学のときにお尋ねになってみてください。設備やお料理のご説明はどの会場でも用意されていますが、この4問は用意されていないことがあります。用意されていない質問への答え方に、その会場の中身が出ます。
すでにご契約されている方へ。 最終のお打ち合わせが、お尋ねになるタイミングとしてちょうどよいと思います。特に1番と2番です。当日どなたが会場を回し、どなたが横についてくださるのか。それが分かっているだけで、当日の朝のお気持ちが変わります。あわせて、当日お伝えになりたいことがあれば、前日までに紙で残る形にしておいていただければと思います。当日の口頭は、いちばん届きにくい伝え方です。
設備もお料理も、もちろん大事なことです。そのうえで、式の満足度を最後に分けているのは、当日その場を締められる人間がいるかどうかだと思っております。
担当のプランナーが当日その場にいないこと自体は、心配の種になさらなくて大丈夫です。ご覧いただきたいのは、その方からバトンを受け取る人間が誰で、いつ、どうやって受け取るのか。
その日、お二人の一日をお預かりするのは、その人です。そこに答えを持っている会場を、選んでいただければと思います。